5, 仕事を認めて伸ばす。
マイティーマウス(1943年)
僕は子供の頃から絵を描くのが得意な方でした。
小学生の頃は描いた絵が貼り出されたり、
中学の頃は学校新聞のコンクールで活躍したりしました。
高校の時に、仲のよかった友人が美術部で、そこに誘われたことをきっかけに、
デザインの道に進もうと思ったものです。
単純だな(笑)
そんなある日、花屋のバイトで、花のプライスカードを書くように言われました。
プライスカードなんて書いた事もないのですが、既にあるものを見本にしながら見よう見まねで書いてみました。
こんなのでいいのかな?
そう思いながらも、それからは時間を見つけてちょこちょこ書いてみるようにしました。
学校帰りで夕方から夜の店番だったので、閉店までヒマな時間がたっぷり。
はじめは文字だけだったのですが、
店のロゴをデザインし、カードに書いたりして、オーナーにも喜んでもらってました。
これがPOP(ポップ)との最初の出会いです。
POPとは、Point Of Purchase 「ものを買う時のきっかけ 」の略で、プライスカードや商品紹介のパネルなどの事。
今は、ビレッジバンガードで有名になって、POPの言葉も知られてきましたね。
この頃は、POPなんてそこまで意識していなかったのですが、
雑貨屋に入ってから、お店に貼ってあるPOPを見て、自分で書いてみて、
ちょっと見方が変わってきました。
その後、このPOPが、僕の雑貨屋人生を左右する事になるとは。。。
雑貨屋で初めてPOPを書く事になったのは、
店長から手渡された商品は「うんちの灰皿」でした。
「うんち」ですよ。「うんち」
当時のその店は、「ダンヒルからうんちまで」という強烈なキャッチコピーがあり、まさに店を物語る代表商品がその灰皿でした。
それは、レジン(プラスチックのようなもの)でできた、とぐろ状の真ん中が灰皿になっているというジョーク商品です。
当時で1000円くらいだったかな?
誰が買うんだ?という商品でしたが、意外にも売れていました(笑)
そんな、会社を代表する商品(?)とはつゆ知らず。
「これのPOPを書くのか…」と困り果てた僕は、
素材の持つ柔らかなイメージを文字に表して、震えた手で書いたようなPOPを作ってしまったのです。
とてもじゃないけど、使ってもらうに値しない駄作。
うんちだけに、恐ろしく下手”クソ”なPOPでした(笑)
でも、店長は、眉毛を寄せてはいましたが、ありがたいことに、明るく振る舞ってくれた上に、あんなPOPを褒めてくれたのです。
うれしいような、なんだか複雑な気持ち。
しかも、その駄作を商品のPOPを使ってくれたのですが、
恥ずかしいやら、書き直したいやら、またまた複雑な気持ち。。
でも、否定されることも無く、認めてもらえたので、
そのPOPがトラウマになることもなく、
その後もたくさんのPOPを書くようになっていったのです。
認めてあげるって大切ですね。
その会社では、山本五十六の言葉を大切にしていました。
「やってみて、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。」
まず自分がやってみて、それを説明して、やらせてみる。
最後に褒めてくれて、新人の僕はPOPをかけるようになったのです。
なかなかできませんよ。
でも、結果をダメだと否定するのではなく、それをやった事を褒めてあげるように気をつけて、どこをどう改善するかを指摘するようにしています。
人を育てるのは難しい。
「自分がやってもらいたい事を教えるようにしろ」
という風に、部下には言っていますけど、自分と同じスキルはコピーできません。
どこかで妥協しなきゃならない。
でも、自分以上のスキルを持っている可能性もある。
そこは、ちゃんと見つけて育てるようにしたいですね。
売場では、マルチな人材はめったにいません。
今は、その人の特性を生かして、スタッフのキャスティングを考えています。
特に新店の場合は、採用する時に、それぞれの個性を考えながら、誰と誰が支え合うとか、誰を軸にキャスティングするかを考えますね。
半分くらいしか当たってませんけど(笑)
後は、実際に仕事を見て、調整しています。
それでも、100%思った通りには動いてくれません。
みんな違う人生を歩んできたんだから当然です。
でも、そこが楽しい。
できるだけたくさんの能力を引き出して、それを育て、働く事が楽しくなるようにしてあげたい。最近では、そう思って、スタッフと接するようにしています。
そういうの、苦手だけど(笑)
日々勉強だ!
隠れた能力を引き出すお話でした。
こんな僕だって、このPOPのおかげでここまで来れたのです。
もっともっと埋もれている原石を見つけてあげなきゃ!
そうそう、山本五十六さんの名言には続きがあります。
「話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。」
「やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。」
奥が深いですね。
人は誰しも「承認欲求」があります。
認めてもらいたいと思っていて、認められると嬉しい気持ちになる。
デール・カーネギーは、
人を動かすただ一つの秘訣は
「みずから動きたくなる気持を起こさせること」と言っています。
この2つは、どこかで通じているのかもしれませんね。
頑張らなきゃな。
あー。
人間って、むずかしい。。
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