世界一の雑貨屋をめざして。

今までの道のりを振り返ったり、色々とあった出来事を綴りながら、雑貨との出会い、店作りへのこだわりなどを、自分なりに思考整理しつつ、 「最高の雑貨屋さんとはどんなものか」を探しながら記事にしています。

9, 流通業に興味はないの?

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RatFink (ラットフィンク)1961年
「ミッキーの父親なんて、こんなもんだろ」と、コースターの裏に書いた落書きが始まりだとか。

 

短大ですので2年で就職を考える頃になります。
新設校だったので、求人情報は少なく、先輩の紹介もありません。
本当なら焦るような時期だったのに、切羽詰まった状態にもならず、
どうしようかなぁ~。くらいに考えてました。
呆れるくらい脳天気。

そんなある日、店長が、「流通業に興味はないの?」と声をかけてくれました。

そもそも、流通業という言葉もわからなかった僕には「???」でしたがきちんと説明してくださって、流通、小売業というものについて教えてもらいました。
今思えば、渡りに船の有り難いお話です。
それなのに、デザインを勉強していた事もあって、何かモノを作る側に、というよりも、「かっこいいものを作りたい」という煩悩に支配されていたので、せっかくのお話も断っていました。

意外と、デザインの方も良かったんです。
成績というか、評価が。

課題の中間制作で作ったものが、こんな感じです。
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厚さ5mmの発泡スチロールを円盤状に、1cmずつ半径の大きな円を数十枚切る。発泡スチロールの最大直径まで切ったら、今度は小さく切っていく。全部重ねると、円錐が上下にくっついた形になるように作ります。
その円盤を5cmづつ浮かして平行になるように、ワイヤーで吊します。アコーディオンのように、びょーんと伸ばすイメージですね。
完成したオブジェは、高さ4mくらいの巨大なものになりました。
それに下から光をあてます。

タイトルは「ある夏の晴れた日」

陽炎(かげろう)をイメージして作ったのですが、暗くなってからの姿はとても美しいものにできました。
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美術史の先生が「こんなものを作る学生がウチにいたんだ」つぶやいていたのが、ものすごく嬉しくて、ちょっとこっち(美術・造形・デザイン方面)でいけるんじゃないの!?と勘違いするきっかけになったのです。

文具が好きだったので、文具のデザインを学ぶために、「ドイツへ留学したい!」などと、馬鹿な事を先生に言ってしまうくらい。

まったく、ドアホウです。

 
当たり前ですけど、現実は違いました。

のんきに学校とバイトを行き来していたので、ロクな就職活動もせず、どうにかなるさと思う先には、暗雲がたちこめる将来が待っていたのです。

そんな中、卒業制作もあり、バイトも続けられなくなってきました。

店長に「卒制があるので、辞めたい」と申し出たのですが、
「出られる日だけでも」と、熱心に引き留められました。

まあ、出られる日だけでいいならいいかな?
そう思って、そのまま続ける事にしました。

店長が引き留めてくれてなかったら、今は無いのですよね。
有り難い事でした。

 

内定もロクに決まっていないのに、なぜか余裕な気持ちだったあの頃。
せっかくなので、バイトの会社へ面接に行ってみる事にしました。
一応、店長に相談しましたが、店長には、
「僕が千葉で働いている事は言わないでください」とお願いしておきました。

誰だかもわからない僕という人間が、受け入れてもらえるのかを試したかったのです。
そんなご大層な身分でもないクセに、よくそんな事考えてたもんだ(笑)

面接の当日は、初の本社。
リクルートスーツがまだまだ浸透していなかった頃です。
適当にあしらった、慣れないスーツを着て、
チンピラの七五三のような格好で乗り込みます。

面接へ行くなり常務が出てきました。
アルバイトの時に、見かけた事はありましたが、ちゃんと話すのは初めて。
怖いと評判だったので内心焦りまくりです。

すると、「話は聞いてる」と始まり、
少し話をした後に、そのまま採用という事で内定をいただきました。

「店長、連絡しちゃったんだ」と思ったのですが、
今思えば、そりゃそうですよね。
就職活動も終わった時期に、突然就職したいと面接に行くだけでも、不可能に近い事です。

この面接の前に、新潟の某メーカーへ面接の申し越みをしましたが、
けんもほろろに門前払い。
「とにかく行きます!会ってください!」と、
熱意を見せようと頑張ったつもりですが、迷惑な話ですよね。
こんな無礼者が許される訳がない。

普通なら許される訳がないはずなのに、
僕が「行く」なんて言ったものだから、
優しい店長が連絡してくれたのだと思います。
本当なら門前払いなのに快く受け入れてくださって、
トップが面接してくださるなんて、有り難い事です。。。

こうして、採用枠30人の中で、
31人目(!)に選ばれた僕は、
これ以上の不義理もできず、デザインの道はひとまず置いておいて、
アルバイトをしていた会社に就職する事にしました。

その店も好きでしたし、ちょっと変わった商品や、楽しさを売りにするこの会社は好きでしたので、とりあえず、自分なりに精一杯やってみる事にしました。

他に行くアテも無かったし。

あのとき、誘ってくれた店長には本当に感謝です。


正直なところ、デザインに未練ありました。
それが後々の仕事に影響が出てくるとは。。。
この頃の僕は、思いもしませんでした。

 

運命なのでしょうかね?
自分で店を持つなんて、夢にも思った事はないのですが、
バイトを始めて、あれよあれよという間にこの道にいます。
不思議。
このお話は、また後日にでも。

 

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